ザーーーーー…………


漆黒の空。冷たい雨が降りしける。その暗い空の下、森の中を歩き続ける二人の男がいた。










「…………雨か……」


一人は真っ黒な髪色をした背の高いクールな男。マントを羽織り、顔は隠している。




「……………」



「どうした?」



「いいえ………貴方に初めて会った日も……強い雨が降っていましたから……」



もう一人はまだ幼さが残る少年だった。こちらもマントを羽織っているが、顔は出している。



「そうだな………随分前の事を……」