「鈴夏さん!
どこに行くんですか?」
だんだん修の家に
近づいてる気がする…
「優梨ちゃんはここにいて?」
「あっ、…はい。」
あたしは修の家の
塀の裏に隠れる。
「鈴夏!?」
しばらくして修の声が
聞こえてきた。
「久しぶり、修♪
会いに来ちゃったよ」
「わざわざ俺に会いに?」
「うん、会いたかったから」
「おぅ、そうか。
なんかあったのか?」
「優梨ちゃんと別れたって
本当のことなの?」
「…あぁ。本当だよ」
「でも修はまだ優梨ちゃんが
好きなんでしょ?」
「…うん」
「あたしがやり直してって
言ってもダメなんでしょ?
まだ優梨ちゃんが好きやから。」
「…うん、ごめん」
「ううん、いいの。
…でもなんで?なんで手放したの?」
「…それは」
あたしはこれ以上
聞いていたらダメな気がし。
ダメ…
あたしにはキョーちゃんが
いるんだから。
さっきのことは聞かなかった
ことにしておこう。

