そんなある日だった。
「優梨、悪ぃ!!
俺、日直だからさ先に
下行っててくれる?」
「うん、わかったぁ〜」
あたしは靴を履き替えて
校門で待つことにした。
「あっ?優梨ちゃん?」
え?
突然後ろから話しかけられた。
「はい?」
「あぁ〜やっぱり!!」
「鈴夏さん!」
少し髪が伸びて
雰囲気が変わっていたけど
あの時の鈴夏さんのままだった。
「どうしたんですか?」
「あぁ、ちょっと修に
用事があって来たんだ。
ごめんね、気にしやんでね。
今、優梨ちゃんに偶然
会わなくてもちゃんと
優梨ちゃんに言ってから
会おうと思ってたし。
変な誤解しないでね?」
鈴夏さんは慌て弁解する。
…あたし、なんて言ったらいいの?
あたしのせいで修と鈴夏さんは
別れちゃったのに。
別れたなんて言えない。
どうしたらいいの?
「優梨!!
待たせてごめんな!」
キョーちゃんが慌て走ってきた。
「キョーちゃん…」
「恭平?久しぶりだね。」
「鈴夏?
なんでいるんだよ、お前。」
「修にちょっと用事。
たいしたことないんだけどね」
「ふーん、修なら帰ったけど?」
「え?帰ったの?
一緒に帰らないの?」
「あぁ〜、あのさ鈴夏。」
「ごめんなさい!」
あたしはキョーちゃんの
言葉を遮った。
「ん?どうしたの?」
鈴夏さんは
優しい笑顔を向けて言ってくれる。

