その日の授業はずっと
上の空で外と修ばかり
見ていた気がする。
「優梨、帰るぞ!」
「あっ、うん!」
放課後になることを
告げるチャイムがなると
キョーちゃんはそう言って
あたしの席にやってきた。
「行こっ?」
「うん!」
下駄箱に行くと
隣のクラスの友達から
冷やかされる。
「ラブラブじゃん〜」
へへっとあたしたちは
目を合わせて微笑む。
「あっ」
修にバッタリ会った。
「…デート?」
修が靴を履き替えながら
下を向いて言った。
「おぅ、今からデート
な?優梨?」
「あっ、うん…。」
だから、気まずいってば…。
「ふ〜ん、いいじゃん。
俺今からバイトだし…」
「まじか、だりぃな。」
「まっ、頑張ってくるわ!」
修は手を軽く上げて
行ってしまった。
修…
あたしと一度も目を
合わせてくれなかったな。
もぅあたしのこと
嫌いになっちゃったかな?
せめて友達としてでも
仲良くしたいなんて思っていた
あたしが間違いだった。
修は鈴夏さんと
よりを戻すべきだよね。
あたし、変われたよね?
ちゃんと相手の幸せを
願えるようになったんだから。

