そう言ってる間も、美海を見ると、自分の手の甲を爪で刺している。



「痛いだろ? 辛いなら、もう頑張らなくていいから。


美海は充分頑張ってる。
そろそろ俺に頼ってもいいんだって。1人で生きていけるやつなんていねぇんだから。」



美海の目を見ると、俺を見ているようで、見ていない。



「うん、そうだね。」



「美海が望むなら、誰もいないところに連れ去るよ。


人と関わるのが嫌なら、人がいない場所に行けばいい。」



そう言うと、今日初めて美海と目が合った気がした。



「ほんとに…?」