「涼、今までありがとう。」
目に涙を浮かべた美海のおじさんが、俺に手を差し出した。
「今まで、美海の支えてくれて……ありがとう。」
そう言ったのと同時に、おじさんの目から涙が零れ落ちた。
「俺…っ、何もしてない…!」
「美海から聞いた。涼がお見舞いに来てくれてたおかげで、楽しかったって………ありがとうって言ってたぞ…っ」
その言葉を聞いた瞬間に、涙が溢れ出した。
「バ、カだろ……っ」
立ち上がって、美海の側にあった椅子に座った。
手を握ると、今まであった暖かさがない。閉じられた目も、二度と開かれることはないんだ…
「こっちがお礼言いたいくらいだっつーの…」
―――――ガラガラ…
後ろでドアを開ける音が聞こえた。気をきかせて出て行ったんだろう。



