「晴君がね、涼の怒ったとこが見てみたいって言うから、実験してたの。」


「実験…?」


そんなことを言っても、やっぱり怒った顔を見せない涼。



「そ、そうそう!; お前めったに怒んねぇから、まずボールぶつけて…(笑)」


晴君がそう言うと、涼は呆れた顔をして笑った。


「お前が考えたらろくなことねぇもんな。」


「涼があんなに怒ると思わなかったんだよー。」


あたしがもう一度抱き付いて、少し高い位置にある涼の顔をのぞき込むと


「美海のことなら、男女関係なく怒るから。」


と言った。