陽気な音楽が鳴り響く。

ズラリと並んだ屋台。いつもとは違った風景だ。



夏休みの真っ只中、俺は親友である、北山晴(ハル)
と夏祭りに来ている。



「なぁ涼、可愛い子いねーな。」


「お前結局それ目当てかよ…」


「ったりめーだろ。そうじゃなきゃ、わざわざこんな暑苦しいとこ来ねーよ。」


「あっそ、じゃあさっさと可愛い子見つけて帰ろうぜ。」



女の子をとっかえひっかえして、遊び人だと言われている晴。


こんな日でさえ、可愛い子はいないか、とバカなことを言っている。


正直言って、もうなれてしまった。



「やっべぇ…」


そんなこいつが


「タイプ………」


好きで来たわけではない、暑苦しい夏祭りで恋をした。


「は?」