しばらく嬉しそうな顔を浮かべている白良さんにまた話しかける。



「ねぇあなた?もし朱嘉ちゃんがいつか彼氏を連れてきたらどうする?」


私はくすくす笑って聞いてみると、白良さんは少し困ったように笑った。


「うーん。どうかな。すこし困るかな・・・」

「あら。取られたくないの?」

「そりゃぁ、今僕はあの子の父親だよ?
あの子は覚えてないけど、僕はあの子が小さいときから世話をしてきたんだ。
そう簡単に手放せないね」


いじわるな顔をして白良さんは笑って、でも。と続けた。


「あの子を幸せにしてくれるなら、喜んで迎えるけどね」

「ふふっ。本当かしら?」

「本当さ」


しばらく笑いあっていると、リビングのドアが開いて、千草君が入ってきた。


「母さん。先風呂入るけどいい?」

「ええ。もちろんよ。あ、それじゃぁ出たら朱嘉ちゃんに入るよう言ってくれる?」

「わかった」


千草君はそれだけ言うとまた出て行った。


「千草君・・・朱嘉ちゃんのこと、どう思ってるのかしら?」

「ん?千草なら心配要らないよ。
ちゃんと朱嘉ちゃんを慕っているさ」

「あら、どうしてわかるの?」

「あれはあれで、朱嘉の気を使っているのさ」

「ふぅん?」

私は少し面白くなかったけれど、白良さんがそういうならと思って納得して、
また家事をしにキッチンに入った。