紅乃が、少し悲しそうに私に近づいてきた。


「私達が嫌い?」

「そうじゃない!!」


私は思わず、そう返していた。


「じゃぁ何で?」

「だって・・・私といたらケンカに巻き込まれるもん・・・」


私はうつむきがちに答える。


「なんで巻き込まれるの?」

「あいつら、絶対仲間に報告する。そしたら必ず私に仕返ししにくるよ。
そのときに・・・皆を巻き込んじゃう・・・」


そう。私は、それが怖いんだ・・・
友達を傷つけられて、そして怖がられて。最後には離れていった。
・・・それが、とても辛かったから。今度は私から離れようとした。


「だから・・・」

「そのときは、そのときだよ」

「え?」


紫希が私の頭をなでながら言った。

「ケンカに巻き込まれたら自分なりに戦えばいいんだよ。
だって朱嘉、教えてくれたじゃん。護身術」

「そうだけど・・・」

「それに私達だって結構体力自身あるよ?だから大丈夫」

そういって紫希は私を抱きしめた。紅乃も藍華も笑ってた。


「・・・怪我しても、知らないから」


私はそうつぶやいて紫希から離れた。


「そのときは自分が悪いって事でw」


そういって藍華は私の額から流れる血をぬぐってくれた。


「じゃ、帰ろうか?」

「だね」

「おなかすいたー」

「・・・・・・ぁ・・・ぅ・・・」

「?朱嘉なんか言った?」

「別に?」


ありがとうって言ったんだけどね。
でも恥ずかしいから教えない。
私は心の中でつぶやき、前を歩く3人の後を追った。









         ~fin~