皆が見つめている髪は、燃えているかのように赤い。
私が一番。嫌いな色。


「で?まだやる気?」


私は足元でおびえている自称赤鬼姫を見た。


「ひっ!!」


赤鬼姫は小さく悲鳴を上げると走って逃げていった。


「・・・・・・」


私は追わなかった。追ったところで何かが変わるわけではないのを知っているから。

「朱嘉」

「紅乃・・・紫希・・・・・それに藍華・・・」


私が振り返ると、3人とも驚いたような脅えているような、そんな顔をしていた。


「・・・怖い?」

「え?」


私は何故か、聞いていた。


「私が怖い?さっきの喧嘩、怖かった?」

「っ・・・」

3人が言葉を詰まらせたのが見て取れた。
私は自嘲気味に笑って言った。


「怖いなら・・・もう関わっちゃだめだよ」


私はそれだけ言うとクルリと向きなおすと、その場から離れようとした。


「ま、待ってよ!!」

「?」


私を呼び止めたのは藍華だった。


「だ、誰も怖いなんていってないわよ!?」

「!?」

「ちょっと・・・びっくりしただけ」

「怖く・・・ないの?」


私は震える声で聞いた。


「当たり前じゃない。友達だもの」

藍華は当然のように答える。それに合わせて紫希も紅乃も頷いた。


「赤鬼姫だよ?」

「私が知ってるのは笑顔が可愛くって強くって友達思いの朱嘉だけ」

「でも・・・」

「朱嘉・・・なんでそうやって突き放そうとするの?」

「え?」