「ねぇ朱嘉?」

「んー?」

「朝の先生の話なんだけど、あれ。赤鬼姫のことかなぁ?」

「さぁ・・・でも不良がやってることには違いないんじゃない?」

私はその話を比較的そっけない言葉で返した。

「だよねぇ・・・」

「何?紅乃。怖いの?」

少し、というよりはるかに怯えが入った声で紅乃は答えた。
紅乃を顔を見ると、少なからず怖がっているのがわかった。


「怖いよ。だって私、見たんだもの」

「何を?」

「赤鬼姫と不良たちのケンカ・・・」

「・・・っ!?」

この間・・・!?

「それ・・・いつのこと?」

私は心臓が破裂するんじゃないかと思うほど動揺しているのがわかった。

「えっと・・・一週間前だよ。遠くから見ただけだったけど…
近くの公園で・・・ケンカしてたの・・・」

一週間前と聞いて、私は少し安心した。

「そうなんだ・・・」

~~♪

「?ちょっと待って」

突然私の携帯が鳴り出した。
ディスプレイを見てみると、藍華からだった。

「?どうしたんだろ・・・ハイ?」

「おう。昨日のガキか?」

「あ゛?」

聞こえてきたのは藍華の声ではなく、男の声だった。

「アンタ誰?」

「昨日のことを忘れたとは言わせねぇぞ!!」

「あー・・・アン時の不良?」

昨日といえば藍華たちに絡んだ馬鹿どもがいたなぁ・・・

「おーそうだよ。てか忘れてんじゃねぇ!昨日の借り、返してやるよ」

「え。いらない。」

私がそういうと電話の向こうは
動揺したのか言葉に詰まっている。