~翌日~

ガラッ

「おはよう」



転校二日目の朝、私は昨日と同じ時間帯に行くと
私が遅いのか皆が来るのが早いのか、もう半数以上が来ていた。

「あ、朱嘉おはよー。」

私に気付いた紅乃が挨拶してくる。

「おはよう紅乃。・・・なんか騒がしいね。いつもこうなの?」

私は紅乃に挨拶すると教室を見回した。
なんだか全体的に落ち着きがないように見えたのだ。

「うーん。結構うるさい時が多いけど今日は特別うるさいね・・・」

「なんかあったのかな」

私はかばんを机に下ろすと持ってきた教科書を机の中に入れる。

「あ、朱嘉。おはよ。」

「朱嘉ちゃんおはよー♪」

教科書を入れ終えて
かばんを机の横に掛けていると
クラスメイトと話していた藍華と紫希がやってきた。

「おはよ。ね、なんかあったの?」

私はさっそく今の状況を聞いてみた。

「んー、なんかね。また出たみたい。」

紫希がちょっと戸惑いをみせつつ、私の質問に答えた。

「出たって?」

隣で聞いていた紅乃が紫希の言葉を聞き返した。

「赤鬼姫だよ」

突然、私の後ろから声がした。

「あ、明。おはよう。」

後ろにいたのは昨日図書室で会話した明だった。

「はよ。朱嘉は赤鬼姫って知ってる?」

明はイチゴ牛乳の紙パックを加えながら会話に入ってきた。

イチゴ牛乳…いいなぁ。

「知ってるも何も、私はもともとこの街にいたんだもの。」

私は明を見上げながら答えた。

「へぇ。そうだったんだ。じゃぁ赤鬼姫の噂も知ってるんだ?」

「もちろん。赤い髪したちっちゃい女の子でしょ?」

「そ。なんだ、だったら一から教えなくってもいいな」

あはは。と爽やかな顔で明は笑った。