するとちょうどそこへ美緒さんがやってきた。

「話が盛り上がってるとこ、申し訳ないんだけど。
紫希ちゃん。時間がそろそろ危ないんじゃない?」

そう言われ、紫希は時計を見た。
午後7時前・・・

「うわぁ!!ホントだ!!早く帰らないとお母さんに怒られる!!」

紫希は慌てて立ち上がり荷物をまとめた。

「そんなに慌てなくても。
・・・お金はまた明日で良いから今日はもう帰りなよ。」

藍華は慌てて立ち上がった拍子に色んなものを落とし
さらに慌てた紫希を見て、呆れたように行った。

「ごめん!!そうさせてもらうねっ。バイバイ!!」

紫希は困った顔をしたまま慌てて店から出て行った。

「ばいばーい・・・って聞こえてない、か。」

私は紫希が出て行ったドアをずっと見ていった。

「・・・紫希も帰っちゃったし、私たちも帰ろうか。」

「あ。そうだね。」

藍華が立ち上がり、私も立ち上がる。
店の外を見るともう暗くなり始めていた。














 会計をすませ、私たちは店をでた。

「今日はありがとね。
わざわざ二人のお気に入りの店につれてってくれて。」

私はそういって財布の中身を確認している藍華を見た。

「いやいや。私たちがそうしたかっただけだもの。
朱嘉が礼をいうほどじゃないよ」

藍華は苦笑混じりにそういった。

「でも嬉しかった。ありがと。」

笑顔でそういうと藍華は何故か驚いた顔をした。