「よかったわ。それじゃぁゆっくりしていってね。」

ニコリと綺麗に笑うと美緒さんは店の奥に入っていった。

「…それで藍華。でも…の続きは?」

私は先ほどの会話を続けようと藍華に話を促した。

「あ、そうそう。そうだったね。
 赤鬼姫が現れなくなったってのは行ったよね?」

藍華はそういって私を見た。私はその言葉にうなずく。

「でも最近赤鬼姫がまた現れたみたいなんだ」

私はその言葉で顔の血が一気に下がったのがわかった。

「真っ赤な髪で小さくてバットを振り回してるって。
不良の間じゃぁそんな噂で持ちきりらしいよ。」

藍華はいたって冷静に話を終えた。

「ふ・ふぅん。で、藍華はどうしてそんなこと知ってるの?」

私はふと思ったことを口に出した。

「ああ。私の兄の友達の知り合いが不良らしくって。教えてくれたの。」

「藍華のお兄ちゃんってシスコンなんだよねーw」

にやにやと笑って紫希が藍華に顔を近づけた。

「そうなの?」

私は藍華にお兄さんがいることにも驚いたが
シスコンだということにも驚き、藍華に聞き返した。

「そ。もぅいい加減に妹離れしてほしいくらいだわ」

呆れたように藍華はため息をついて紅茶に口を近づけた。

「でもそれだけ藍華のことを大切に思ってるって証拠でしょ?
毛嫌いされるよりマシじゃない?」

「そうかなー?
ま、最近は前より度合いが変わってきてるみたいだから良いけどね」

藍華はふっと笑って紅茶を飲みきった。