「じゃぁ名前教えてくれる?覚えるから。」

「もちろん!!俺の名前は透野明(トウノ アキラ)。
透野でも、明でもどっちでもいいよ。」


男子。もとい明は爽やかな顔で自己紹介してくれた。


「じゃぁ明でいい?
前の学校に東野っていたからそいつとかぶっちゃうんだよね。」

私がそういうと明はいいよ。と笑顔で言ってくれた。

「ってか香狩さんって本好きなの?」

明はカウンターから身を出して聞いてきた。

「朱嘉でいいよ。・・・まぁ好きかな。暇つぶしに読む程度には。」

私はテーブルにおいてある本を手に取りながら答える。

「ふうん。」

明はいつの間にか私の隣に立っていた。

「どうする?それ。借りるの?」

明はニッと笑って私の手の中にある『虹の果てに』をさした。

「じゃぁ借りるよ。・・・どうやって借りるの?」

私は本を明に渡しながらカウンターに近づく。

「パソコンにクラスと番号と名前を入れて、
本の題名を入れたら終わりだよ。・・・・はい。終わった。」

「早っ!!」

本を渡してから20秒とかかってないんですけど。


「明打つの早いね。凄い。私だったら30秒くらい掛かってるよ。」

私が感心したように言うと、明は照れたように首の後ろをかいた。

「「朱嘉ちゃーん!!帰ろー!!」」

そういいながら入ってきたのは紫希と藍華だ。
二人は私と明を見つけると小走りで近づいてきた。

「あれー?明君だ!」

「よう。」

紫希は人懐っこい笑顔で明に話しかける。