*写真屋の恋*



もう…なんなのなんなのなんなの~…


自宅に帰っても携帯に本社の経理から電話があって、年金手帳やアレコレ書類を出せやら、何故か履歴書再送付しろとか言われるし、


岡田さんに助けを求めたら、ダメだったらまた適当に戻って来たらいいじゃなーい☆ゆなちゃんいない間にイケメンでも雇おうかしらっ♪て感じで他人事だし…。



とにかく、一方的過ぎる。


私、納得なんてしてない!





‥…『採用ですか~?ありがとうございます~。』…‥






…いやいやいやあれは了承とかじゃないからー!


ていうか仕事内容は?服装は?

とりあえず、行くしかない。バイトの掛け持ちもしてないし…、お金ないし…、あの会社系列なら変な仕事しないだろうし…。




行って、話そう。

あの店がいいですって。

家から近くて、お客さんも程よい人数で、写真の事ばっかりで、暇な時間はぼんやり妄想にふけれるような、あのゆる~い職場がいいですって。



…………。


…うわ、ゆるい職場て。やる気ないのにもほどがあるな私。



こんな理由通るかな…。




んー……



物思いにふけりながらオレンジ色のベッドの上をゴロゴロ回転する。



…これ、断ったら、完璧クビだよね。


迷って首をひねるたび、くくった前髪がニョンニョン動く。


そうだ!ポジティブに考えてみるのよ私!


バッとベッドに立ち上がり、大きな独り言をわめく。




…社員だよ社員!いずれは目指そうと思ってたじゃない私!もしかしたらとってもいいところかもしれないじゃない私!

ポジティブ!ポジティブよ私!

…。


………。


…でもやっぱりなんかなぁ~納得いかないなぁ。私の意志ゼロじゃないの~。


…とりあえず、明日行ってみよ。




はぁ…



もぉ…



永瀬渡の…アホぉぉお!