*写真屋の恋*


「まぁ、それもあるけど、僕も悪いんだよ。あの時はちょっと悩んでいたこともあって、ヒゲは伸び放題、日除けにグラサン、服もよれよれ、ついでにびしょ濡れ。おまけに髪は少しのびたままだった。」


気付くわけ無いよね、とセンセイはくすくす笑う。


私はそんなセンセイを想像してみた。


わー、センセイを写真の雰囲気だけで妄想してたときの想像図に近い…。



「相変わらず忙しい日々だったけど、暇が出来たらちょこっと覗きに行くっていうのを繰り返してた。そして何故か毎回メモリを渡しそびれる。その間に君はどんどん成長する。」

感覚は、そうだな。近所のがきんちょが気が付いたら中学生の制服来ててびっくりする感じ。
センセイは目を細めてそう言った。


「暇が出来たら、って言っても3ヶ月に一回行けたら良い方だったから、ほとんど上司の偵察みたいなもんだね。それに初めは君を恋愛対象として見ているつもりは無かった。なんせ初め君はまだ十代で、僕は三十になった所だったし、…んーどういう感覚だったんだろう。」


センセイは少し考えて、首をひねった。