『はーっ、壊れてなくて良かったですね。大切なものですもんね。』
タイセツナモノ…?
店員の女の子は、自分のもののように安堵し、ほっと胸をなで下ろしている。
ふと、店内を見回すと、結構な時間居たはずなのに自分以外の客は見当たらない。
『あの、客足っていつもこんな感じなの?』
不躾に聞いてみる。
…やっぱりちょっと失礼だったか?
しかし女の子はカラカラと笑いながら、今日は雨なんで少ない方ですけど、だいたいこんな感じですかね。おじいちゃんおばあちゃんのお客さんが多いので午前中は賑やかなんですけど。と身振り手振りで説明する。
…うちの系列店にしては珍しいな。
だいたいそんな客足なら、そうそうに上から切られてもおかしくない。売上もそんなにないだろう。
店舗もそう広くない。
ライバル店がないのか?
…。
まぁいいか…
本題を忘れていた。
『以前、横田さんという人のカメラの調子を確認された方、いるかな?』
『横田さん、ですか?』
バイトの女の子は“修理表”と書かれた資料をパラパラめくり、首を横に傾げる。
『修理に出された方のお名前には載ってないですね。もしかしてカウンターでカメラの問題解決出来た方ですかね。んー…少々お待ち下さい。』


