ぼーっとしたまま左手に持っていた機材に目を向け、そこでようやく気が付いた。
「!…っしまった!」
「へっ?!」
バイトの子も機材入れの方に目を向ける。
「ありゃっ、カバンの方もっ、…」
「カメラ…っ」
急いで機材入れをカウンター下の床に置き、あたふたと中を確認する。
するとカウンターの上から大きな声が聞こえて来た。
「カメラ?!たっ大変!!」
自分以上に慌て出す店員。正直少しうるさい。
しかし機材用の布を持って来てくれたのは助かった。(ホコリの出にくい素材で出来ている。)
どの機材も壊れてない。一つ一つを合わせると車も買える金額になる。軽く冷や汗を拭った。


