「うん、まぁ、それがゆな君だったんだけどね。」
「……え!!」
センセイがなんでもない事のように言うもんだから、逆にびっくりしてしまった。
その反応に今度はセンセイがびっくりしている。
「今の話の流れからしたら8割方君の事だろう?」
「いや、でも、あたしそんな記憶が…っ」
「んー、まぁ確かにこの事件は内々に処理されたし、……はい。」
センセイが机の中からスッと何かを取り出し、私の手の中に乗せた。
「このメモリは僕が預かってた。彼女に僕から謝罪しておくってことでね。だいぶ後になってしまったけど。」
手の中の黒くて長細いチップを見つめる。
そのメモリには見覚えがあった。
ずっと、無くしてたと思ってた。
「僕は多忙だった事もあって、こっちの方面に用事がある日にでもそれを渡しに行こうと思っていた。」


