*写真屋の恋*


「へ?なんでそんなことになってるんだい?」

センセイは笑いながら、傍らの写真立てを手に取る。


「こいつはね、初心を忘れない為と、まぁ、色々あって、んー…」


…あー、女除けね。


「それと、」


カパッと写真立ての裏を開けて、一枚の紙を取り出した。


「僕が幸せになるときは、保証してくれるってさ。」



ちょっと申し訳なさそうにその婚姻届を広げて、私に見せてくれた。


「ほんとはタケちゃんに頼んで、ゆっくり準備しようと思ったのになぁ。サプライズとかも色々考えてたんだけど。まさかこの写真立てをゆな君が持ってくるなんて思わなくてね。」


そして雪さんの写真をペラッとつまみ、ゆっくりとベットから立ち上がり、窓辺に移動する。



「今まで、ありがとう。」



センセイはそうつぶやき、幸せそうな顔で、写真をビリビリと破き、外に紙吹雪の用に投げた。


「えっ!センセイ!」


びっくりして急いで窓から外に乗り出す。

暗闇の中にちれぢれになっていく紙切れ達。