病み上がりの癖に!!
いや、むしろ上がってすらないのにこの力。
片腕だけで私をベッドに縫い付ける。
もう片手はまるで猫でも撫でるみたいに私の頭を優しく触る。
くそうっ!
クスクス笑うセンセイを見ていたら、
…だんだん別の意味で顔が熱くなってきた。
…からかいすぎだよ。
駄目なのに。
駄目なのに!!
ふと頭の隅にあの額の写真が浮かび上がる。
ハッと目を見開く。
「…いい加減にしてください!!」
センセイはちょっとびっくりしたような顔で腕の力を緩める。
「知ってる癖に。」
唇を噛んでクッと目の前の男を睨みつける。
言ってしまおうか。
全て言ってしまおうか。
きっと
すごくすっきりする。


