『WATARUさん、すいませんこんな朝早くに呼び出してしまって。』
『いや、かまわないよ。今日も“外”だから一回寄って出ようと思ってたし。』
『ホントすいません…ちょっとWATARUさんに相談があって…。』
そこからの会話に三好さんは耳を疑ったらしい。
猿渡が言うには、私が猿渡にめちゃくちゃな指導をしたり、出来もしない仕事を無理やり押し付けたり、あることないこと言い振り回して困っているという。
『俺がWATARUさんの事を悪くいってるだとか、そんなこと全くないのに、柏井さんが他の人に言ってたりするんですよ…WATARUさんは聞いてませんか?』
『いや?』
『そうですか、良かった…。柏井さん、俺以外には良い人なんで、WATARUさん信じてくれないかと心配してました。ありがとうございます。』
『…。』
『柏井さん…あんな優しそうなのに…俺、ショックだったんですよ。WATARUさんの事も酷い事言ってたし…。』
『へー、どんな?』
『WATARUさんは顔だけで売れてるタレント写真家だって。実力は並のクセに良いカメラに頼ってデカい顔してるって…。酷いですよね。俺、ホント腹立っちゃって。』


