『俺はWATARUに取り入って早いとこ独立して…そう!目指せ天下~!(笑)WATARUは踏み台だかんね!アハハハ………』
ガチャン
扉を開けたら想像以上に煙草くさかった。
半透明のガラス張りの小さな部屋には高笑いする猿渡さん…いや、猿渡とダンボール担いだ私だけ。
何気なく振り向いた猿渡は、私を見て一瞬怯む。
電話越しに『んじゃまたなぁ』とか言って、ポチンとボタンを押す。
「お疲れ様っす柏井さん。」
「こんな時間まで、どうしたんですか?」
「いやぁ、自転車漕ぎすぎて足にマメ出来ちゃって今日はタクシーで帰ろ……」
「それ、嘘なんですよね?」
ニコニコ貼り付けたような笑顔はさっと消え、小馬鹿にしたような笑いが頭の上から降ってきた。
「なに?盗み聞き?趣味悪(笑)」


