*写真屋の恋*



正直、猿渡さんのさぼりも増えたけどさほど気にならない。

むしろ仕事が戻ってきて嬉しいぐらい。



手が止まると思い出す。



センセイのあの優雅な日本人形みたいな微笑み。そして口に添えられた人差し指。



秋風の用に去っていく後ろ姿…。



…だめ!



思い出すな私!!



手を動かせ、手を!!




充血した目を少しこすり、パソコン画面を見つめる。










片隅の。





センセイの机の彼女は変わらず微笑んでいた。