「そろそろイルカのショーが始まるな。」 「見に行こう。」 腕時計で時間を確認し、私達はショーの会場へと足を向けた。 その時、私達の目の前を小さな男の子がヨチヨチと歩いていた。 まだ歩き始めたばかりの頃だろうか。 右手はパパ、左手はママとしっかり繋いでいて、一生懸命に歩いている姿に私は自然と笑顔になっていた。 ふと見た優輝の横顔も目を細めて笑っていた。 いつか私達にも、あんな日が来るのかな? 確かにこの時、私は明るい未来に夢を馳せていた。 優輝と私、家族になる日が訪れるようにと。