思い出す。 中学生の頃、初めて一緒にカラオケに行った時も、優輝はこうして照れていた。 優輝の歌声は、あの頃のように私の耳に響いてくる。 しばらく歌ったり、おしゃべりしたり、楽しい時間はあっという間に過ぎていった。 「最後に一曲ずつ入れようか。」 「そうだな。」 私が先に歌い、続いて優輝の入れた曲が流れ始める。 私は、思わず優輝を見ていた。 「恵那、この曲好きだったろ?」 「うん。」 優輝が最後に入れた曲は、中学時代に私が好きでよく聴いていた男性歌手のバラード。