たべちゃいたいほど、恋してる。





「…ここか…?」




暫らく歩くと見えてきた一軒家。

優衣はコクリと頷く。



家の電気は全て消えていて、中には誰もいないようだ。




「誰もいねぇのか?」


「……うん…お母さん、いないし…お父さん、は…どっか、い…ちゃてる…」




(母親もいねぇのか…まぁいろいろあんだろ)




気にはなったが、深く聞けばまた優衣を追い詰めることになると考えた龍之介は、そうかとだけ答えると優衣を家の前におろした。


おろされた優衣の足元は若干覚束ない。


ふらふらと立つ優衣に龍之介は思い出したようにポケットから携帯電話を取り出すと




「遊佐、携帯出せ」




と優衣に向かって手を差し出す。