たべちゃいたいほど、恋してる。





「コンビニまで戻れば、帰れると思う」




あぁ。そういやこいつ方向音痴だったっけ、と優衣と初めて会った時を思い出す龍之介。




(そういう意味で聞いたんじゃなかったんだけど…あのコンビニまでは一人で行けるのか)




そう思いながら龍之介は空を見上げる。

生憎なことに雨はまだ止みそうにない。




(…こいつ傘ねぇじゃん)




「…………」




暫らく黙り込んだあと、龍之介はおもむろに優衣を抱え立ち上がった。




「わっ…!お、大上くん!?」




突如立ち上がった龍之介に優衣は驚いたように声を上げる。


急な動きにバランスを崩した優衣の体はしっかりと龍之介の腕で支えられた。




「家まで送る。案内しろ」


「えっ!?へ、へーきだよ?」


「傘ねぇのに濡れて帰る気か?」




くい、と顎で空を指す龍之介。

つられて優衣も空を見上げた。