たべちゃいたいほど、恋してる。





幼なじみにも友人にも会えなくなる。


いろいろなことを考えて出した結論は、ここに残るというものだった。

最も優衣にとって一番の理由は、また父親に見てもらえるのでは、という淡い期待だったのだが。



しかし、そんな日はもう来ないのかもしれない。




「……っ…ご飯…」




目を瞑り歯を食い縛って涙を堪える優衣。


泣いていても何も変わりはしないのだ、と自分に強く言い聞かせる。


鞄を手繰りよせ財布と携帯を取り出すと痣が見えぬよう丈の長いカーディガンを羽織り、ガタガタと震える足を叱咤して優衣は家を出た。


思った以上に夜遅くなっていたらしい。




(もしかしたら、気を失っちゃってたのかな…?)




そう思うほど、外はどっぷりと黒に浸っている。