(…でもまぁ、優衣は知らなかったわけだしな)
ちらりと隣に立つ優衣を見れば、驚いたように母親の再婚相手である彼を見上げている。
その表情は明らかに初めて見ました、というもので。
ならばもう、龍之介が伝える言葉は決まっていた。
「…別にいいっすよ。仲直りしたんで」
男に向かって短くそう告げると、龍之介はすっと隣にいる優衣の手を取る。
突然のことに驚いた優衣だったが、嬉しそうにふにゃりと顔を緩ませた。
「あらあら、ラブラブなんだ」
「えへへー」
母からの言葉に恥ずかしくなったのか、後ろからぎゅっと龍之介の腰に抱きつく優衣。
それをごく自然に受けとめる龍之介に、優衣の母は綺麗な笑みを浮かべる。


