たべちゃいたいほど、恋してる。





「僕、宇佐美って言います」




初めまして、と再び龍之介に頭を下げた宇佐美と名乗る男。


聞き覚えのあるその名前を記憶のから探る。


そして思い出したのは、あのいらぬ発言を置いていき二人の擦れ違いの発端となった学ランを着た紅南生。




「…あぁ、あれの」




龍之介が納得したように男を見ると、彼は申し訳なさそうに頷いて小さく笑った。




(だから見たことある気がしたのか)




どこで見たのかと思えば、似ているのだ。あの男に。


それも親子なのだといわれれば納得がいく。


龍之介にいらぬことを吹き込み、優衣との間をぎくしゃくさせた原因の男。

父親の前で"あれ"扱いは如何なものかと思うが、龍之介にとってはあれ以外の何物でもない。