ガッドコッガツッ!



辺りに響く早朝の住宅街には似合わないその音。




「…これくらいでくたばんなら、始めっからくんじゃねぇ」




そして広がる地鳴りのような低い声。

呻き声を上げながら周りに倒れる数人の男を熱を感じさせない冷めた目で見下ろしながら、龍之介は足早にその場を立ち去った。


自分の体の至るところから流れる血や真新しい傷など気にならない。気にしていられない。



優衣との喧嘩から早一週間。


朝早く傷だらけの姿でまだ皆が寝ているであろう自宅に帰宅した龍之介。


その様子は目に見えて落ち込んでいて。


ここ数日はまともに学校すら行っていない。




(単位は…まぁ、まだ大丈夫だろ。多分)