は、と口元が歪み知らずのうちに震える携帯を握った健の手。




「ちょ…え、お、落ち着いて俺」




珍しく行動にまで表れたあからさまな動揺。


ここまで取り乱す健の姿は極めて珍しい。


混乱した心を落ち着かせるため目を閉じて深く息を吸う健。


何度か呼吸を繰り返した後、健は意を決して再びメール画面を覗き込んだ。

どうか見間違いであるようにと願いながら。

しかし、変わらず映るその文にぎゅっと顔を顰める。




『あの人が優衣に何をするかわからないの。嫌な予感がする。もしかしたら今まで以上かもしれない。助けに行きたいんだけど、私じゃ中にも入れてもらえなくて…』




それは警告を発する優衣の母からのメール。