そう言いながら優衣の頬を軽くつねる龍之介の指。

ふにふにとその感触を楽しんでいるようにも見える。

いひゃいよ、と言う優衣の言葉は無かったことにされたみたいだ。


それは別として、とりあえず思いつく名前を挙げてみたが、龍之介に全て違うと言われ更に混乱する優衣。


他に誰かいただろうかと考える。


その時ふと頭を過った昨日母から告げられた再婚話。

しかし、それを龍之介が知っているはずはない。


それに、まだ一緒に住むとは決まっていない話である。


そもそもこの件に関しては優衣自身もまだきちんと把握出来ていないことだ。



受けとめることが出来ないと言ったほうが正しいかもしれない。


あの後母が何か言っていた気もするが、あまり覚えていなくて。