互いの心に小さくも新たなしこりが出来た翌日の昼休み。




「ん…おいひぃ」




ぽかぽかと太陽の暖かい日差しが惜し気もなく届く屋上には、にこーっと顔を緩め幸せそうにお弁当を頬張る優衣の姿があった。


もぐもぐと口いっぱいに食べる姿は何度見ても小動物を連想させる。


そんな優衣が食べているのは、もちろん龍之介お手製の手作り弁当。

その彩りと栄養バランスは今日も完璧だ。




「優衣、うまい?」


「んっ!」




コクコクと首がもげそうなほど、何度も笑顔で頷く優衣。


それを見た龍之介も満足そうに表情を緩ませた。


段々と日差しが強くなってきた季節。


夏にはまだ遠いとはいえ、それでも直射日光は暑い。