優衣がそれほど重大なことを隠していたのだろうか。

優衣にそんな芸当が出来るのだろうか。


そもそもあの男は一体何を知り、優衣とどんな関係なのだろうか。


龍之介の頭の中を絶えずぐるぐる回る幾つもの疑問。


優衣本人から聞いたわけではない。

ましてやそれを龍之介に伝えてきたのは、龍之介を目の敵にしているような男。


それが真実なのかさえ怪しいものだ。




(…落ち着け、俺)




気付けば龍之介は自分の部屋にいた。

そのまま倒れこむように自室のベッドに倒れ込むようにして横になると、眉間にしわを寄せたまま固く目を瞑り、ふぅと深く息を吐く。




(考えすぎたって、わかるようなもんじゃねぇ)




顔を埋めたシーツからは今朝までここにいた優衣の香りが残っていて。