教室で健と二人きりでいた優衣を見たとき､一瞬何とも言い難い嫌な予感が龍之介の頭を過った｡

その原因が思い当たってしまったからである｡



時は少し遡り､放課後の生徒指導室｡


昨日のこともあり､本当は早々に学校から出て優衣と放課後デートをしようと朝から計画していた龍之介｡

昨日の分も優衣の好きなところに行こうと思っていた｡


しかし､運悪く生徒指導の教員に捕まり逃げられなくなってしまったのだ｡


しかも捕まった教師は入学当初より龍之介を目の敵にしていた相手｡




(あー…だりぃ｡話長ぇんだよ｡何回同じこと繰り返す気だ｡つーか優衣待ってんだけど………帰りてぇー)




延々と続く私情混じりの説教を右から左に聞き流し､龍之介はひたすら早く終わることを願う｡