そして何より嫌われることを極端に恐がっている。

それが大切な人ならなおのこと。

無意識に痛いと感じるあざの消えたはずの体。




(どうしよ…嫌いって、言われちゃったら…っ)




「ごめっ…ごめんなさ、っ…怒ったら、嫌いんなったら、嫌だよぉ…」




えぐえぐと必死に息をしながら、何度も何度もいい子にするからと繰り返す優衣。顔を俯かせ必死に涙を拭った。



すると、突然ガタンッと鳴り響いた音。

同時に大きく揺れた目の前の机。


おそるおそる顔を上げると優衣が座っている席の机の上に龍之介が座っていて。


腕を引かれたかと思えば、ぐっとゼロに近づいた二人の距離。




「怒ってねぇから落ち着けよ、な?大丈夫だから」