たべちゃいたいほど、恋してる。





怒りの色にも似たそれに思わず息をのみ口を閉ざす優衣。


普段極めて温厚な健が優衣に初めて見せた、それ。


その色が優衣に向けられたものなのか、はたまた井上に向けられたものなのか。

あるいは両者に対してなのか。


それは健にしかわからない。



それでもその言葉が本気なのだということだけは優衣にもわかった。


だからこそ考える。

健の言葉の意味を。



頭の中でゆっくり言葉を噛み砕き飲み込めば答えは当たり前のように顔を出して。




「…ちが、う…っ」




ぶんぶんと一生懸命に首を横に振って違うと告げる優衣。


そんな優衣の答えに健もふと表情を和らげた。