見れば見るほど魅入ってしまう龍之介の寝顔。


普段深く寄っている眉間のしわは消え、所々に傷のある綺麗な肌にはくっきりとした目鼻立ちが際立っていて。


まるで作り物のようなそれに、女の自分よりも綺麗なのではと思う優衣。




(…睫毛長い…)




思わず手を伸ばして睫毛に触れれば、瞬間ふるりと龍之介の目元が揺れた。

と、同時に小さく上がった口の端。




「なーに触ってんだ?優衣ちゃん」




気付いたときには時既に遅く。


優衣の手首は今まで寝ていたはずの龍之介にしっかりと掴まれていた。




悪戯な笑みと一緒に。