そして思い出したのは、龍之介にしがみついて泣く自分の姿だった。




(は、恥ずかしいよぉぉぉ!!)




今まで何度となく龍之介の前で泣いたことはあったが、昨日のあれは何故か無性に恥ずかしい。

瞬く間に真っ赤に染まっていく優衣の顔。


恐らくあのまま寝てしまったのだろう。


よく見れば優衣の左手はぎゅっと龍之介のシャツを握り締めたままだ。



そして龍之介の腕もまた優衣の腰にまわったまま。


がっちりと掴まれているため多少動くことは可能だが、抜け出すことは出来そうにない。



仕方なく抜け出すことを諦めた優衣は、おずおずと視線を龍之介の寝顔に向ける。