「…んん…」




太陽の光が目蓋の裏をひりひりと刺激して朝を告げる。



その眩しさに小さく唸り声を上げてゆっくりと目を開いた優衣。


はっきりとしない頭でぼーっと上を見上げれば見慣れない天井。

いつもの目覚ましの音も聞こえない。


不思議に思い、こてんと首を傾げ顔を横に向けた優衣は突如目に入った光景に思わず息をのんだ。




(な、なななななな…!?)




目の前にあったのは静かに目を閉じている龍之介の寝顔で。

しかもかなりの至近距離。


状況がまったく把握できない優衣の脳内は既にパンク寸前。


それでもまともに働かない頭を使い必死に昨日の記憶を引きずりだしてみる。