どこか心地よいそれに酔い痴れそうになりながらも、己の存在を示すように優衣の体をきつく抱き締めた。




「言っただろ。俺の気がすむまで一緒にいるって」




それは遊園地を出る間際に、龍之介が言った台詞。




(だから…離してなんてやんねぇ)




まさかこんな状況でこの台詞を使うことになるとは思ってもいなかった龍之介だが、嘘はない。


龍之介の気が済むのは、優衣の心が落ち着いたとき。

それまで龍之介が納得することはないのだから。



柔らかな優衣の髪に左手の指を絡めながら再び泣いていいと伝えれば、ぽろぽろと溢れだした涙。




「りゅ、く…りゅうくん…ふぇぇ…っ」