「はーい。そこまでー!いちゃいちゃは部屋でやりましょー」




後数センチ。


龍之介の吐息が優衣の唇に触れた瞬間、聞きなれない声とともに優衣の体はぐっと後ろへ引っ張られた。




「ふぇ?」




何事かと目を開いて後ろを振り向けばそこに居たのはさらさらとなびく金色の髪をした男の人で。


突如現れたその人に、驚きのあまり硬直する優衣。




「龍ーだめだよ?こんなとこで彼女襲っちゃ!」


「………親父…」




にこっと綺麗な顔で笑う金色の彼に、龍之介は深く溜息を吐き優衣に手を伸ばす。


その手が触れたと同時に優衣の頭を過る龍之介の言葉。




(い、ま…親父って…え、あれ…もしかして…)