たべちゃいたいほど、恋してる。





ちゅ…



そして、それと同時に頬に感じたのは柔らかな熱。


触れた暖かいそれが龍之介に唇だったのだと認識するのにそう時間は掛からなくて。



ドクン...




(はぅ…い、今…ほっぺに…っ)




大きく心音が跳ねた。


ほんの一瞬触れただけのそれ。

しかし、優衣にとってその熱は体験したことのない未知の領域のもの。

それが世間一般にいうキス(ほっぺちゅー)だとわかると、優衣の心拍数はみるみるうちに上がり顔は火照るを通り越し燃える勢いで色を変えていく。

まるで秋が景色を変えるように。


指先に触れたときより数百倍も強く感じた高鳴り。


本当に壊れてしまうのではないかと心配になるほど優衣の胸の音は止まらない。