たべちゃいたいほど、恋してる。





龍之介が不思議そうな顔をして立ち止まれば、優衣はせかせかと玄関へ戻り二人分の靴を綺麗に揃えた。


父親に気を遣い怒られぬよう普段から細心の注意を払って生活している優衣は、こういったことが無意識に気になってしまって。

気にしすぎだとも言われるが、簡単には直りそうもない。



そして優衣は二人の靴を眺めながら満足そうに笑う。




(えへへ…龍くんの靴おっきいなぁ…)




優衣の隣に並ぶ龍之介の靴は、優衣のそれよりもずっとずっと大きい。


それがなんだか嬉しいような恥ずかしいような、やっぱりう嬉しいような。


優衣は並んだ靴を見ながら緩む頬に手をあてるも溢れ出る笑みを抑えられずにいた。