たべちゃいたいほど、恋してる。





「え、あ、はっ初めまして!ゆ、ゆゆ遊佐、遊佐優衣です…っ!」




優衣の噛み噛みな自己紹介に暫し三人を包む沈黙。


そして




「お…ママぁぁぁあああ!パパぁぁぁあああ!りゅ龍が…龍が"優衣ちゃん"連れてきたぁぁあ!!」




なんとも言い難い沈黙を凄まじい勢いで破ったのは美女の叫び声。


驚いて顔を上げた優衣だが、その場にすでに美女は居らず。

遠くリビングだと思われる場所へと駆け込んでいった後だった。




(…へ…?え、あれ…?)




予想外の展開に優衣はぽかんと口を開け、彼女が走り去っていった廊下を見つめる。


それと同時に降ってきた長く深い溜息。


見上げれば、明らかに嫌そうな、面倒臭そうな様子で顔を顰めている龍之介がいて。