たべちゃいたいほど、恋してる。





先程とは打って変わって優衣に優しく"悪い"と苦笑しながら謝ると、龍之介は繋いでいた優衣の手をぐいっと引き寄せ




「…俺の、彼女」




とその肩を抱いた。


そんな龍之介の行動に誰よりもいち早く驚いたのは頬を薔薇色染めた優衣…


…ではなく黒髪美人の方で。



目が飛び出るのではと心配になるほど大きく目を見開いたかと思えば、ぐっと龍之介の体を押し退けて優衣に歩み寄ってくる。




「…もしかして貴女…"優衣ちゃん"…?」




信じられないものを見るような顔で詰め寄ってくる美女に内心びくびくしている優衣。

それでも肩に感じる温もりに勇気を貰いながら勢い良く頭を下げた。